真っ暗な世界と真っ白な世界②
想像してみてほしい。
あたり一面真っ白な世界。
右も左も上も下も。
その白さは、
光なのか、白なのか、透明なのか、無なのか、すら分からない。
真っ白な世界、真っ白なキャンバス。
あなたはそこに何を描きますか。
いくらでも描く時間も、描くお金もある。
でも何を書いて良いのかわからない。
描くということすら分からない。
だって何十年も仕事しかしてこなかったから。
何を描いて良いかも分からない。
だって、真っ白な世界に行くことが目的だったから。
真っ白な世界に何か描くなんて、考えてもいなかった。
どなたかのブログで、リタイアしてやりたかった100のことを、
一つずつ実現していくブログがあった。
そのブログを読破して思ったこと。
『それ、リタイアしないとできないことなのか?」
例えば、
漫画を全巻読破、とか
フルマラソンに出る、とか
ジム通い、とか
家庭菜園、とか
料理教室に通う、とか
資格をとる、とか
人間ドックに行く、とか
本当にリタイアしないとできないことがあるとすれば、
長期で時間を拘束される旅行くらいじゃないだろうか。
結局、自分は何かしたかったわけじゃなく、
ただただ会社に行きたくなかっただけだったんだと。
仕事自体が嫌いだったわけじゃなかったと、
結局何らかの仕事をする羽目になるんじゃないのかな。
だって、仕事って、人生最大の暇潰しだと思うから。
自分でも分かってる。
今の人間関係を全て無かったことにできたら、どんだけ楽なことか。
でも過去は消せないから、どこか遠くの世界に行ってしまえばい、
その人間関係は希釈されると思うから。
逃避。
その真っ白な世界に何も描けなくても良い。
その世界に新たな価値を見出せなくても良い。
どうせ自分は社会不適合者だから。
自分に何の価値も無いので知ってるから。
生きる意味とか、やりがいとか、充実感とか。
そんなもの求められるほど前向きじゃない。
無価値で無意味で、
でも無音で無風で無味無臭な世界に行きたくなる。
リタイア後は暇で結構。
もう疲れたんだ。